弁護士 櫻町直樹(内幸町国際総合法律事務所)

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メディアへの掲載や、裁判例・法律に関する解説、日々の雑感などを発信しています。

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裁判例
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最高裁判決|ヒグマ駆除での猟銃許可取消しは違法

2026年4月1日

令和8年(2026年)3月27日、最高裁判所において、ヒグマ駆除に出動した鳥獣被害対策実施隊員に対する猟銃所持許可の取消処分を違法とする判決が言い渡されました。本件は、市の要請を受けてヒグマの駆除に向かった隊員(以下「Aさん」とします)が、現場で猟銃を発砲した際、弾丸が他の隊員の持っていた銃に命中したという事案です。これに対し、北海道公安委員会は銃砲刀剣類所持等取締法(銃刀法)違反等を理由として、Aさんのライフル銃の所持許可を取り消しました。裁判では、行政機関からの要請に基づく公益的な活動中における発砲行為に対し、所持許可の取消しという最も重い処分を行うことが妥当であるかが問われました。この判決は、今後の鳥獣被害対策の担い手や実務に大きな影響を与えると考えられます。 続きを読む »

海外動向

韓国の「法歪曲罪」とは?日本・ドイツとの違いと影響

2026年3月28日

韓国で刑法第123条の2として「法歪曲罪(ほうわいきょくざい)」が施行されました。これは、裁判官や検察官などが意図的に法律を誤って適用し、裁判や捜査の結果を左右した場合に、直接的に刑事罰を科すという制度です。日本をはじめとする多く国では、裁判官の判断に誤りがあった場合、控訴や上告といった「上訴(じょうそ)」の手続きによって上の裁判所が是正するのが一般的です。そのため、法適用そのものを正面から犯罪として処罰するこの制度は、異例の取り組みと言えるでしょう。

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裁判例

法テラスの援助打切りは無効?(熊本地裁令和8年3月4日判決)

2026年3月21日

経済的に余裕がない方を支援する「法テラス」の代理援助制度を利用している最中に、依頼者の判断能力が著しく低下したことを理由に法テラスが援助を打ち切りました。このような打切りは無効であるとして争われた裁判において、熊本地方裁判所は法テラスの援助打切りを「消費者契約法違反であり無効である」と判断しました。この裁判で何が問題となり、裁判所がどのような理由で法テラスの決定を無効と判断したのかについて解説します。

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業務
弁護士アンケートから見る「文書提出命令」の実務と課題

2026年3月5日

日弁連が公表した『情報・証拠収集制度に関するアンケートの分析結果』に基づき、裁判実務における「文書提出命令」の利用状況とその課題について解説します。 文書提出命令の法的要件(証拠調べの必要性や制裁など)を踏まえつつ、実際の運用における厳しい現実がどのようなものか紹介します。

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ブログ
カスタマーハラスメント対策が義務化へ:事業主に求められる4つの措置とは

2025年11月18日

労働政策審議会において、職場におけるカスタマーハラスメント(カスハラ)対策を強化するための新たな指針の素案が示されました。これは、事業主に対してカスタマーハラスメント防止措置を義務付けるものです。この指針は、企業が従業員を悪質なクレームや嫌がらせから守るための具体的な枠組みを定めています。

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裁判例
経歴詐称による内定取消しは有効か?裁判所が「有効」と判断した理由

2025年10月24日

コンサル大手アクセンチュア社が、入社直前の採用内定者の経歴詐称(職歴隠し)を理由に内定を取り消し。裁判所は「意図的な経歴詐称は信頼関係を損なう悪質なもの」として、会社側の内定取消しを「有効」と判断しました。バックグラウンドチェックで何が問題となったのか、判決のポイントを分かりやすく説明します。

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裁判例
【裁判例解説】京大の立て看板撤去は適法?大学の敷地管理権と組合活動

2025年8月5日

大学のキャンパスで長年見慣れた立て看板が、ある日突然撤去されたら...。これは、実際に京都大学で起きた出来事です。教職員の労働組合は「不当な撤去だ」と大学と市を訴えましたが、裁判所は大学側の対応を支持しました。なぜ、そのような判断が下されたのでしょうか?本記事では、この「京大立て看板訴訟」判決(京都地判令和4年2月16日)を基に、大学の敷地管理権と組合活動の権利がぶつかったケースにおいて、裁判所がした判断について解説します。

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裁判制度
「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」(第11回)の要点

2025年8月2日

最高裁判所から、第11回目となる「裁判の迅速化に係る検証に関する報告書」が公表されました。この報告書は、裁判がより早く、適正に進められるようにするための現状分析と今後の課題をまとめたものです。特に今回は、裁判手続のデジタル化が大きなテーマとなっています。本記事では、この報告書の重要なポイントを分かりやすく解説します。

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裁判例
【最高裁判例】障害福祉サービスは65歳で打ち切り?「介護保険が優先」とした最高裁判決の意味は:最判令和7年7月17日

2025年7月26日

長年、障害者総合支援法(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律)による障害福祉サービスを利用して、生活を支えてこられた方やそのご家族にとって、65歳という年齢は、大きな不安を伴う節目かもしれません。いわゆる「65歳の壁」問題です。

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裁判例
【最高裁判例】ゴミ処理の委託元責任はどこまで?区域外での不適正処分と排出元市町村等の責任を認めた最高裁判決(最判R7.7.14)

2025年7月15日

市町村等が、自分の地域で出たゴミの処理を業者に委託し、当該業者が(別の場所で)不適切な処分をして環境問題を起こした場合、ゴミの処理を委託した市町村等は、その後始末をする法的な義務を負うのか?

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法改正
改正DV防止法のポイント

2025年6月28日

2023年5月に「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律」、いわゆるDV防止法が改正され、2024年4月から新しいルールがスタートしています。

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